海外では、一人称というものは一つしか存在しないようです。英語で「私」は、I ( アイ ) です。男性も女性も自分を表す一人称は、I ( アイ ) 。 日本で、日本語を学んでいる学生にしばしばこんな疑問を投げかけられます。 「日本語は ( 一人称が ) わたしだけじゃないでしょ?僕、俺、自分・・・なんで?」 「…。 ( なんで?笑 ) 」 普段、私たちが何気なく使っている一人称。海外の方から見ると、かなり不思議なようです。 男性が使う一人称 ・僕 男性が私的な場で使う一人称。公的な場で使用する場合もあります。 ・俺 男性が最も多く私的な場で使う一人称。基本的には、公的な場では使用しません。 女性が使う一人称 ・あたし 「わたし」の砕けた言い方。公的な場では「わたし」を使用します。 ・うち 全体的に、若者が私的な場で使用します。 性別関係なく使う一人称 ・私 ( わたし、わたくし ) 日本人が最も多く使用する一人称。「わたし」は「わたくし」の砕けた言い方。 ・自分 ( じぶん ) 主に体育会系の男性がよく使用します。女性でも職業などによっては使用されます。 ビジネス文書によく見られる一人称 ・当方 ( とうほう ) 話し手個人だけでなく所属団体を総称する場合もあります。 これだけでも、色んな一人称がありますが、わし・わい・あたし・あたくし・あたい・わて・わえ・うち・おいら・おら・おいどん・俺様・・・など、一部地域で使われる一人称や砕けた表現なども入れるとかなりの数の一人称が日本語には存在します。 これらの一人称を、性別や個人が置かれている状況によって使い分けているわけですが、男性も女性も必ずしも一人称を上記のように限定されてはいません。 女性でも、「僕 ( ぼく ) 」や「俺 ( おれ ) 」と使う人は存在していますし、男性でも自分のことを「うち」と表現する人もいます。日本語の一人称の面白いところですが、明確な基準は曖昧で、不正解というものがなく、一人称自体が自分自身を表現できる言葉の一部のように感じます。 一番肝心な、日本語を学ぶ学生が疑問に思う 「日本語は ( 一人称が ) わたしだけじゃないでしょ?僕、俺、自分・・・なんで?」 については、謎が深く明